千恵の眼

自分の人生の中で勇気づけられた言葉や日々の思いなどを綴っていきたい。

新型コロナウイルスとの闘いは、短距離競争ではなく、1年は続く可能性のある長いマラソンー京都大学 山中伸弥教授

 新型コロナウイルスの感染力は勢いを増し、3月21日現在で全世界27万人を超えたとされている。イタリアの死亡者数は中国を抜いて4032人となり、この勢いは留まるところを知らない。今後も増加していくことが予測される。
 私が住んでいる隣の市でも20日に感染した人が出て、身近に大きな不安を感じる。また、TVなどでは、専門外の、にわかコロナウイルス評論家が様々な意見を言い、何を信じてよいのか戸惑うばかりである。
 こんな中、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中教授が、新型コロナウイルスの情報を個人で発信するホームページを開設した。この中で、つぎのようにメッセージを発している。
「疲れたり油断して止まってしまうと、感染が一気に広がり医療崩壊や社会混乱が生じてしまいます。一人一人がそれぞれの家庭や仕事の状況に応じたペースで走り続ける必要があります。この情報発信が、皆様の判断基準として少しでも役に立つことを願っています。」と。
 このHPの中の「エビデンスの強さごとに見る新型コロナウイルス」を見ると、4つの情報区分が記されている。A「エビデンスがあり正しい可能性が高い情報」B「正しい可能性があるが、さらなるエビデンスが必要な情報」C「正しいかもしれないが、さらなるエビデンスが必要な情報」D「エビデンスのない情報」
 これらの4つの区分(今後、更新されるかもしれないが)から、私はこれらの情報を信頼性の高い情報源として、新型コロナウイルスに対する生活対応等を考えていきたいと思っている。
エビデンスとは病気等に対して、効果があることを示す証拠や検証結果・臨床結果。いわゆる科学的根拠)

 Aでは「病態」として・感染しても症状が出ない場合がある。・発症しても多くの場合は発熱や咳などの軽症。・高齢者や持病を持つ患者を中心に一部の患者では肺炎等で重症化、致死率も高い。
 「感染」として・咳等の飛沫とドアノブ等を介しての接触で感染する。・症状がなくても、他の人に感染させる場合がある。
 「対策」として・手洗いやマスクをしていても感染することがある。・ワクチンはまだ開発されていない。・効果の証明された治療薬はない。
 Bでは「病態」として・子供では感染して発症しても軽症が多い。ただし重症化することもある。・食欲不振や下痢が主な症状の場合がある。
 「感染」として・感染力は季節性インフルエンザより高い。・エアロゾル内で数時間生存し、感染の原因となる。
 「対策」として・手洗い、消毒は感染予防にある程度は効果がある。・
 Cでは「病態」として喫煙者は重症化しやすい。
 「感染」として80%の人は、他人に感染させない。
 「対策」としてマスクは、感染予防にある程度効果がある。
 Dでは「感染」として・暖かくなると感染は終息する。
 「エビデンスの強さごとに見る新型コロナウイルス」の抜粋を記述したが、信頼性のおける情報源を判断材料として、それぞれが自らできることを実施していくことだと思う。そして正しく恐れ、必要以上に不安になることはないのかもしれない。