千恵の眼

自分の人生の中で勇気づけられた言葉や日々の思いなどを綴っていきたい。

歴史に学ぶ。ウイルスとの闘いと私たちの日常生活。

 新型コロナウイルスとの闘い方を私たちは歴史から学び、これからの日常生活に活かしていかなければならないと思う。過去に日本にも大きな惨劇をもたらしたスペイン風邪の事を少し調べてみた。
スペイン風邪の日本での死亡者は、38万8727人。流行期間は3年間
 スペイン風邪は1918年(大正7年)から1920年大正9年)の約3年間で世界中に大きな惨劇をもたらした。全世界で患者数が2億人。死亡者数は2000万人から4000万人と推計されている。
 東京都健康安全研究センターの調査によれば、日本での総患者数は、3年間で2380万人強(当時の日本の人口は約5600万人程度)死亡者数は、38万8727人と驚きの数値である。流行のピークは2回あった。
 1回目の流行期は1918年8月から1919年7月までで患者数は2117万人弱、死亡者数は25万7363人。対患者死亡率は1.22%。
 2回目の流行期では、患者数241万人強、死亡者数は12万7666人とほぼ半減となっているが、対患者死亡率5.29%と4倍以上に上昇している。流行から終息まで、ほぼ3年間となっている。


 今回のウイルスの終息を予測することは非常に困難と思うが、非常事態宣言の期間の中で終息することは難しく、今後も長期間に渡りウイルスとの闘いが続いていくことが考えられる。

 このスペイン風邪に対する当時の対策は、患者の隔離、接触者の行動制限、個人衛生、消毒、集会の禁止、学校を含む公共施設の閉鎖などが行われたようだが、感染伝播をある程度遅らせたことはできたが、患者数は減らすことができなかったようだ。
 当時は、抗生物質は発見されていなかったし、有効なワクチンも開発されていなく、医学的な手段がなかったことにより、患者の隔離などを行う基礎的な対策しかできなかったようだ。
 現在は当時と比較して各段に医学が進歩し、様々な情報手段が確保できたが、有効な治療薬やワクチンがないという現状では、接触者の行動制限などの基礎的な対策しか行うことしかできなく、当時との対策とあまり変わっていないように思える。


 当時のスペインで風邪では、国により政府の動きや対応で患者増加のスピードを抑えた対策が取られたようだ。ニューヨークでは流行の始まる11日前から、早期介入を行っている。隔離・検疫とポスターによるリスクコミュニケーションやビジネス時間の交代制などの措置が採られたようだ。流行前に介入を開始することにより、増加スピードを遅らせ、流行のピークを遅らせることができた。

歴史に学び、日常生活の中でこのウイルスとどのような闘い方をしていくのか。自ら考えなければならない。
 このような危機に際しては、政府の強い危機感の元、強力なリーダーシップが求めらている。しかし、政府にリーダーシップをとる人はいない。残念ながら。

 私たちは、このウイルスと日常生活の中で今後も長い付き合いをせざる得ない状況になるということである。このウイルスに対して、日常生活のなかでの行動は何をすべきなのかなど、一人一人が長期戦を覚悟して、自己防衛に努めていく必要がある。