千恵の眼

自分の人生の中で勇気づけられた言葉や日々の思いなどを綴っていきたい。

念ずれば花ひらくー詩人・坂村真民さん

 父の日に父思う

 昨日、畑に妻が小玉スイカを植えた。畑には夏野菜のキュウリやミニトマト、ナスなどが採れ始めている。自分が家庭菜園を始めたのは、定年後から。コロナで生活様式が変化しているので、家庭菜園を始める方が多くなっているようだ。

 畑には、毎年、実をたわわにならせてくれるレモンがある。今年は実の付き方が例年になく少ない。柿や獅子ゆずは、今年は期待ができそうだ(昨年は、大型台風の被害にあってしまったが)


 昨日のお昼ごろ、山鳩がつがいで庭のフェンスのところに来た。しばらくの間、毛繕いする様子を見せてくれた。すずめの親子も以前、やってきた。親すずめが小すずめに口移しで、えさをやっていた姿は何とも微笑ましい。

 6月の第3日曜日は「父の日」仏前の父にお酒をそなえた。私の父は、社会生活をするうえで、決して器用な人ではなかった。職場も何度も変えた。正義感が強く、弱い者の味方だった。しかし、家庭人としては、あまり褒められるものではなかった。

 家族の間での父との会話の中を思い出すと、この年齢になって、父の心情が少しは理解できるようになった。
 今、自分は父の年齢を超えることができた。父の年齢を超えることは、親孝行と思っていたので、少しは親孝行が出来たかなと思う。

 「念ずれば花ひらく」詩人・坂村真民さん

 「念ずれば花ひらく」で有名な詩人・坂村真民さん。真民さんの言葉は、弱者に寄り添い、癒しと勇気を与えてくれる。

 真民さんの詩の中に「延命の願」という詩がある。
 
わたしは延命の願をしました
まず始めは啄木(たくぼく)の年を超えることでした
それを超えることが出来た時
第二の願をしました
それは子規の年を超えることでした
それを超えたとき
第三の願をしました
お父さん
あなたの年齢を超えることでした
それはわたしの必死の願いでした
ところがそれも超えることができたのです
では第四の願いは?
それはお母さん
あなたのお年に達することです
(啄木27歳、子規36歳、父42歳、母73歳)ー以下略ー

坂村真民さんは、熊本県出身の詩人。8歳の時に小学校長をしていた父が急逝。母と5人の幼子が残され、一家の生活は一変。母は、愚痴も言わず懸命に働き、一家を支えた。
そんな状況の中で、いつも母が唱えていた言葉が「念ずれば花ひらく、念ずれば花ひらく」だった。

「念ずれば花ひらく」
念ずれば
花ひらく
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった
そうしてそのたび
わたしの花がふしぎと
ひとつひとつ
ひらいていった