公益財団法人ふきのとう文庫(札幌市)の歩みと小林静江さん
ふきのとう文庫を創設した小林静江さんは、東京で生まれた。妹の千恵子さんは、若くして病床に伏し30歳代の若さでこの世を後にした。
小林さんは、妹のような境遇の病弱児の向学心を満たすため、図書館に対して障害者への家庭配本を求める運動を始めた。その実現のため、衆参両議長宛てに「重度身障者・児の読書の権利保障と図書郵送の無料化を求める請願書」を提出。これらの請願により図書館法による図書館にのみ郵送の半額と定められた法改正が1976年1月から実施されることになり、国をも動かす大きな成果につながった。
妹の千恵子さんの見えない力強い後押しが、現在の「ふきのとう文庫」を形作ってきたのではないかと思う。
「ふきのとう文庫」の主な歩みと活動内容
「ふきのとう文庫」は単に子どもの本を集めた図書館ではなく、「すべての子どもに本の喜びを!」を基本理念に布の絵本や拡大写本を制作し、一般の子どもたちはもとより、心身の不自由な子どもたちへ貸し出しをしているのが特長。
「主な歩み」
1970年 自宅(江別市)の子ども文庫を身体障がい児用とする。
1973年 市立小樽病院小児科プレイルーム内に「ふきのとう文庫」を開設
1982年 札幌市西区に「ふきのとう子ども図書館」を開館
2011年 「公益財団法人ふきのとう文庫」として認定される。
2013年 札幌市中央区に新築移転。年間約1万5000人の利用がある。
「主な活動内容」
1.障害をもつ子どものための本づくり 2.子ども図書館 3.布の本制作、制作講
習会 4.郵送による本の貸し出し 5.うたとおはなしの会・手づくりあそびなど
小林静江さんは2017年12月9日に死去。ご冥福をお祈りいたします。
「ふきのとう文庫」の益々のご発展をご祈念いたします。