千恵の眼

自分の人生の中で勇気づけられた言葉や日々の思いなどを綴っていきたい。

驕れる人も久しからず(おごれるひともひさしからず)。安倍政権の末期症状。

安倍政権の末期症状。打つ手打つ手が裏目に。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ、春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。」

 これは、平家物語の冒頭の文。あの栄華と権勢を誇った平家もついに滅びた。いつまでも、同じでいられるわけがない。安倍政権にも同じことが言える。

 自分の地位や権力を笠に着る者は、そう遠くない将来に凋落するだろう。という言い回し。まさに今の、安倍政権を言い当てている言葉であろう。

 新型コロナウイルス対策(PCR検査やアベマスクなど)や検察官の定年延長問題などで国民の信頼を大きく失っている安倍政権。打つ手打つ手がいずれも裏目に出ている。
 新聞社による調査によれば、政権支持率は30%を下回り、危険水域に入っている。

 なぜ、自分たちが行う政策・施策が国民に支持・信頼されないということがわからないのだろうか。よく自問自答すれば答えが出ると思うのだが。
 取り巻きの偏差値エリートにはわからないのだろう。

 歴代最長という総理在職期間がむなしく響く。安倍政権は今まで何をやってきたのだろうか。まさに国民の政治不信は、最高潮に達している。

 政府は、国家公務員の定年延長と抱き合わせた束ね法案として提出した検察庁法改正案を自ら取り下げた。強行採決も辞さない勢いだったのに。

 余人をもって代えがたいと言っていた黒川氏の定年延長を法改正ではなく、従来の政府見解を変えてまでも無理やり閣議決定して実行した。
 その責任はどうなるのだろうか。

 また、東京高検の黒川弘務検事長の麻雀賭博行為を懲戒処分ではなく、「訓告」処分とした。本来であれば、法を最も守るべき立場の人が。刑法違反になるかもしれない常習的な賭博行為をである。

 検察組織にとって大きな信用失墜行為であり、検察現場の職員等にとっても衝撃的な事件であろう。それも全国民に国を挙げて自粛要請をしている最中に。

 国民にとっても、まさに青天霹靂の事件ではないか。検察は行政組織でもあるが、準司法的な性格を持つ組織ではないか。信頼は地に落ちたと言わざるを得ない。
 検察はこれで正当な職務を遂行できるのか。嘆かわしい。

 (組織の性格を考慮しても)黒川氏には「停職」または「減給」処分のいずれかが妥当であろう。国民に自粛要請している中での賭博行為。なぜ、もっと責任が問われないのか不思議である。

 また、法務大臣が言う「諸般の事情」とは何か。また、なぜ法務大臣は今までの経過を踏まえて「辞職願」ではなく「進退伺」を提出したのだろうか。本当に責任を感じているのか。はなはだ疑問である。

 この国は、本当に民主的な治安国家なのだろうか。私たちは、政府の行動や検察の行動をより一層、疑問の眼をもって、監視し続ける必要がある。そして、政府と検察・マスコミとの関係も。

公務員生活の中で受けた私の「訓告」処分
 私は、38年の公務員生活の最後の年に初めて、ある事案で「訓告処分」を受けた。
 事案の内容は、私が所管していた部署で、ある建物の課税漏れが発覚した。

 本来であれば課税しなければならなかった建物で、6年以上前から課税していなかった事実が公務員生活最後の年に発覚した。

 記者クラブに発表し、建物に住む多くの課税対象者に説明するとともに、議会にも報告、説明した。新聞にも掲載されたので、この件の影響は大きかった。

 5年前に遡り課税賦課し、時効を迎えた分については、課税は出来なかった。
 本来、課税すべき物件に課税漏れがあり、時効分は徴収できなかった。そして5年分の賦課漏れは、過去にさかのぼって賦課した。

 住民にも迷惑をかけた。自治体にも本来徴収できた時効分の税収の損害を与えてしまった。この事案に対する私への処分が「訓告処分」だった。

 当時、私はこの処分に不満だった。何故なら、6年以上前の事案でその責任を負わされたとの思いがあった。

 しかし、自治体が税を賦課して、そこに間違いがあってはいけない。行政への信頼が損なわれてしまう恐れがある。  

 さらには、今後も賦課徴収は続く。組織として何らかの処分(6年以上前の事案であるが、現在の担当者に)が必要と人事担当部門は考えたものと思う。自治体のこの事案に対する姿勢を示す必要があったのだろう。

 今回の黒川氏の訓告処分(将来を戒める厳重注意)は、私は軽いと思う。法を守っていかなければならない組織の長が行ったものである。退職金にも影響する懲戒処分(免職・停職・減給・戒告)が妥当な判断だと思う。

 訓告処分されても、退職金には影響がない。安倍総理は、訓告処分によって退職金が減額されるとは言っているが、それは間違いである。
 (自己都合で退職すれば、勧奨扱いにならないから当然、定年満期前ということで支給額は減る。訓告処分による減額ということではない。いかにも、訓告で減額したように言っているがそれは違う)