千恵の眼

自分の人生の中で勇気づけられた言葉や日々の思いなどを綴っていきたい。

リーダーと共感力

国民の苦しみに寄り添うことのできない安倍内閣アベノミクスに始まりアベノマスクで終わるのか。 

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国民一人10万円の特別定額給付金などが盛り込まれた緊急経済対策としての2020年度補正予算が、国会において成立した。予算審議の模様をテレビで見ていたが、途中で見るのをやめてしまった。

 非常事態下にある国会論戦として、あまりにもお粗末に映った。当事者意識が全くないように感じられた。
 明日の生活をどうしたらよいか途方に暮れている国民が目の前にいるのに。医療現場の崩壊が近づき、悲痛な声を上げている医療従事者がいるのに。営業補償がなければ店をたたまなければならない状況の事業者がいるのに。

 官僚が書いた答弁を延々と述べている。事前通告されていない質問(国内の現時点の感染者総数はとの問い)について、暫くの間、答弁が出来ず、事前に通告されていなかったと怒る始末。事前通告されていなくても、政府側は答えなければならない。まして、感染者総数なんて、すぐ答弁できなければならない基本中の基本ではないか。

国民に配布中の安倍マスクは内閣不一致
 マスクも滑稽。安倍首相は、国民に配布するマスクを身に着けていたが、他の閣僚はそれぞれ違うマスクを身に着けていた。「マスクは内閣不一致」

 まったく現実を想像する力がないというのはこのことなのかと思う。政府の人たちは安全な場所にいて、生活実感が想像できないのだろう。多くの事例も調査しているのだろうが、その痛みを想像する力が全く感じられない。

 このような人たちに国のかじ取りを任せては、将来、大変なことになるだろうと今更ながら、実感した。今回の新型コロナウイルス対策は、国民全員が身にもって感じたはずだ。「のど元過ぎれば、暑さを忘れる」という国民性が日本にはあるが、次の総選挙の時には、誰に国政を任せたらよいのかをよくよく考えなければならない。

浜矩子教授が言う、リーダーと共感力とは

  同志社大学大学院の浜矩子教授が政治の役割やリーダーとしての求められる姿勢などを語っている。浜教授は政治家に求められるのは、「共感力」だと言っている。

 浜教授は、次のように言っている。緊急事態下、人々はどういう思いに駆られるのか。どんな不安を抱いているのか。感受性をもって正確に思考する。そして、その理解に基づいて、今、政治の役割は何かを真摯に考える。

 それが安倍首相や小池都知事には決定的に欠けている。結局、自分がどう見えるか。何をすれば、自分たちの得点が上がるか。どうすれば減点を回避できるか。危機であってもそこからしか物事を考えることができない。

 誠意をもって世のため、人のために働こうという姿勢が全く感じられない。「世のため、人のため」でなく「我がため、我がため」の政治。

 経済活動は、人を幸せにするものです。それが人々を不幸に追い込んでいるのであれば、政治は全力でそれを是正する必要があります。

 いまがどういう状況か。需要がなくなる。供給もなくなる。仕事がなくなる。収入がなくなる。放っておけば民間経済が消えてなくなるかもしれない。政治は今、失われつつあるその全てを全て補完しなければならない。

 民需が消えたら、公需で埋める。民間で供給が停滞するなら、供給力を公的に補っていく。仕事がなくなり、収入も補償されないのであれば、政治がそれを提供する。

 やれることも、やれないことも、全て「やる」という姿勢が、危機中の危機には必要。大切なのは、分け隔てなく、選択的でなく、傷んでいるところに手を差し伸べること。ところが、その権限を託せるリーダーが不在。これが日本の悲劇。と言っている。

指導者に覚悟を求めたい!
 孔子は政治で行う上で大切なものの一つとして「民信なくば立たず(政治というものは民衆の信頼がなければ、成り立つものではない)」と言ったといわれる。歴代最長の総理大臣としての覚悟と気概を持って、国民の信頼に応えてもらいたい。
 そして、ニーチェは言っている「偉大とは人々に方向を与えることである」と。
 今、政治の役割は何かを、自ら真摯に考え、「国民のため」何ができるかを自らに問いつづけ、命を懸けてもらいたい。そうでなければ、潔く職を辞してもらいたい。